浄土真宗本願寺派・西覚寺本堂
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(有)今井徹也建築設計事務所 今井 徹也

西覚寺本堂の建て替えについての基本構想は、2023年に本格化し、設計・監理の依頼があった。仏教寺院の「本堂」設計について未経験の当方は自信が無く、多少の迷いがあった。思慮深く、行動力のある吉川純真住職(15代)はユニークな人柄であり現代美術にも造詣がある。特に風景写真の作品は美しい。C・S赤れんがの保存・再生・活用のムーブメントづくりを通じ約40年のお付き合いがある。とてもお世話になった。折角の貴重な機会でもあり、思い切って受任をさせてもらった。

西覚寺はこの地に浄土真宗のお寺として寛永元(1624)年吉川家三男圓西により創建され明治維新頃火災に遭って宝物、古記録等焼失し、大正8(1919)年寺内再興された。多くの門徒の方々に守られ今日に至った。

住職は設計者に二つの与条件を示された。

一・構造体は鉄筋コンクリート造を採用されたし。過去の火災を気づかわれたことであろうか?

二・現本堂前の古木3本:さるすべり・楓・梅の木を残したいと。最終的には、与条件一・二共守ることができた。南側の山並みへの眺望も開かれ、外壁の白漆喰が生きづいた。

設計作業が終わり、施工業者の選定に手間どった。職人不足、労務費の上昇や資材高騰等。日頃のお付き合いのある施工会社が引き受けてくれたのでなんとか着工に漕ぎつけた。設計図面はできたけれど、作(造)り手、少なしの時代に突入しつつと感じる昨今である。

住職のアイデアで、さるすべりの周囲に円型の「ベンチ」を設置した。事務所から約650mに西覚寺が在るので散歩道としても丁度良い。監理も無事完了。一服がてら「ベンチ」に座りに行き職人さんの仕事ぶりを思い出したいものだ。棟札代りにメモリーBoxと称するものをつくり、21職種、144名のお名前をご本尊のそばに置くことに決めた。アジア系の外国人の方々も入っている。住職や現場代理人も大賛成であった。   完

2026(令和8)年4月5日 記

 

全景

 

建物概要

建築主 浄土真宗本願寺派・西覚寺
15代住職 吉川 純真
設計監理 (有)今井徹也建築設計事務所 今井 徹也
施工者 (株)藤本工務店 藤本 悦児
工事場所 山口市東山二丁目1-10
主要用途 寺院
構 造 鉄筋コンクリート造
階 数 1階
敷地面積 2013.08㎡
延べ面積 申請部分:147.10㎡
合  計:475.90㎡
工 期 2024(令和6)年10月19日 着工
2025(令和7)年 9月24日 完成
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