海に面し山に抱かれた敷地に、大きな方形屋根の下へ暮らしを納めた住宅である。
明快な木架構を空間の骨格とし、構造・意匠・機能を一体的に扱うことで合理性と維持管理性を両立し、浮いた屋根は軽やかに暮らしを包み込む。
高潮浸水想定区域に対し、床レベルを上げ安全性を確保しながら、水面と視線が呼応する計画とすることで、制約を暮らしの質へと転換した。
深い軒と大きな開口は、日射制御と自然通風を促し、環境負荷低減に寄与しつつ、軒下を介し居場所を外部へと拡張している。
併せて、区切らない空間計画、可動性の設備計画により、用途や行為を固定せず、住まい手の判断に委ねた。
それは、思考の自由と将来の変化に対応することに繋がる。
調理場にもなる薪ストーブを中心とした豊かな暮らしは、冬の暖、地域資源の活用、非常時の対策を兼ねている。
内外を繋ぐ軒下空間は地域景観と緩やかに連続し、地域との関係を編み直す住まいを提案した。

建物概要
| 建築主 | Y・T |
|---|---|
| 設計監理 | 株式会社オノミチエ設計室 |
| 施工者 | 吉次産業 有限会社 |
| 工事場所 | 山口県防府市向島990-2 |
| 主要用途 | 住宅 |
| 構 造 | 木造 |
| 階 数 | 1階 |
| 敷地面積 | 240.82㎡ |
| 延べ面積 | 67.07㎡ |
| 工 期 | 令和5年8月23日~令和5年12月26日 |








